鍼灸の禁忌について(WHO)

以下、鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドライン (翻訳改訂版 2000.4.7)
世界保健機関
Guidelines on Basic Training and Safety in Acupuncture
World Health Organization

から抜粋させて頂きます。

 

2.禁忌  鍼の調節機能という観点から考えれば、本療法の絶対的な禁忌を規定するのは困難である。しかしなが ら、安全性を重視するならば、以下の状態での治療は避けるべきである。


2.1 妊娠 鍼刺激は陣痛を誘発する可能性があるので、妊婦には用いるべきではない。他の目的で治療がどうし ても必要なときには十分な注意が必要である。 特定の経穴に特定の方法で刺鍼がなされたときに強い子宮の収縮が起こり、流産を促す可能性があ る。しかしながらこのような刺激は妊婦において陣痛を促進したり、出産時間を短縮するために利用できるものである。 伝統的に、妊娠第一期までは下腹部や腰仙部の経穴への施鍼や施灸は禁忌とされている。3ヶ月以降 は、上腹部や腰仙部の経穴や、強い響きの起こる部位への治療を耳鍼点と併用することは、陣痛促進の可能性があるので避けるべきである。


2.2 救急事態もしくは手術を必要とする場合 鍼治療は救急療法としては禁忌である。このような場合、応急処置をして、救急病院に患者を送る必要がある。 鍼治療は、外科手術の代用として用いられるべきではない。


2.3 悪性腫瘍鍼治療は悪性腫瘍に用いられるべきではない。特に腫瘍への直接刺激は避けるべきである。しかしな がら、鍼治療は患者の生活の質を高める目的で、疼痛やその他の症状の緩和、または化学療法や放射線療法の副作用の軽減など、他の医療の補助として利用できる可能性がある。


2.4 出血性の疾患 鍼治療は出血性もしくは凝血性の疾患、または抗凝血治療中か抗凝血剤使用中の患者には用いるべきではない。

 


僕の見解は

 

2.1 は三陰交というツボが有名です。足の内くるぶしから指4本分上の場所です。妊娠初期に三陰交に刺激を与えると流産してしまうと聞いています。しかし、三陰交は陣痛を早めたり、安産にも効果があるツボとも言われています。ですので安定期の5か月ぐらいからお灸をするのが良いとされています。また逆子は至陰(足指の小指の爪の根元の外側角のちょっと外)に熱いと感じるまでのお灸をすると良いと言われています。

 

2.2 はその通りです。

 

2.3 は疼痛やその他の症状の緩和、医療の補助としてだけではなく、鍼灸は自律神経を整えて免疫力をアップするとされているのでそれ以上の良い効果が期待できると思います。

 

2.4 は刺す鍼は危険ですが、刺さない鍼なら危険性はありません。

 

 

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コメント: 3
  • #1

    鍼聖跂伯 (土曜日, 04 6月 2022 13:04)

    合谷・三陰交 妊婦の禁鍼について
    「宋書」「銅人兪穴鍼灸図経」などに記載されていると言います。
    「宋書」には、妊娠中胎児が死亡しているものに対し『三陰交の二穴を刺し、また、足太衝二穴を瀉し、その子手に随いて下る』と記載されるそうです。この観点から、後世、合谷と三陰交を妊婦の禁鍼としたようです。
    合谷については、「鍼灸大成」に『妊婦瀉すべし、補うべからず』とあり、『補えばすなわち墮胎す』と記載されています。「類経図翼」にも『妊婦合谷を補えば即ち墮胎す。妊婦三陰交を刺すべからず』と記載されます。
    この理由は、妊娠すると胎児を養うため、臓腑経脈の血は任脈衝脈へ注がれ母体は血分が不足となります。血虚になると、気分偏盛するためです。
    気旺盛で血虚のである妊婦に対して…合谷に補法を加え気を補い、三陰交に瀉法を加え行血去瘀することは…、流産や墮胎を引き起こしかねない。
    『女性の生は気有余にして血不足す。其れ数々、脱血(月経)するを以てである』《霊枢・五音五味篇》が、妊婦は更に気有余血不足の傾向が強くなる。従って、陰血を瀉し陽気を補えば、胎児に悪影響があり得る。
    ただし、同じ穴、三陰交と合谷の使用でも、合谷に瀉法、三陰交に補法であれば妊婦への悪影響はない。

  • #2

    森真紀 (火曜日, 28 3月 2023 21:25)

    悪性ではありませんが
    耳下腺腫瘍でも鍼灸院通って良いでしょうか?

  • #3

    タハラ (月曜日, 03 4月 2023 22:32)

    他のサイトに三陰交はつわりを抑えるのに良いと書いていたので強めに指圧していました。
    何てことを…!!

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